理学療法士 佐藤亜美さん - interview –

松戸整形外科病院で理学療法士として働きながら、フロアボール女子日本代表としても第一線で活躍する佐藤亜美さん。多忙な医療現場と、日本を背負って戦うアスリートとしての顔。その両立の裏側には、徹底した自己管理と競技への熱い想いがありました。インタビュー形式でたっぷりとお届けします。

生時代はどんなスポーツを?フロアボールとの出会い

まずは亜美さんのスポーツ歴を教えてください。
フロアボール一筋だったのでしょうか?

実は、学生時代はかなり色々なスポーツを経験してきました。
野球、水泳、陸上の短距離・長距離、さらには高校の時、大学併設の環境を活かして「射撃」など、上記のスポーツ以外もやっていました。

射撃まで!かなり多才ですね。
その中でフロアボールを選んだきっかけは?

小学校の時に、土曜日のサークル活動のような形で「ネオホッケー」をやっていたのが始まりです。それを続けていたら、「世界大会があるのはフロアボールだよ。ネオホッケーにはないから、こっちをやってみないか」と勧められたんです。

実際にやってみたらすごく面白くて。特にゴールキーパーというポジションの魅力にどっぷりはまってしまい、中学校から本格的にフロアボールの道へ進みました。

々の練習と徹底した「プロ意識」の体調管理

現在の練習頻度や場所について教えてください。

普段は埼玉県蕨市のクラブチームを拠点に、週2〜3回練習し、練習のない日はジムでトレーニングをしています。

日本代表の活動になると、1回の練習が4〜5時間に及ぶこともあります。練習場所は蕨や稲城のほか、床がラバー素材(クッション性のあるゴム)で本格的な小田原方面の体育館まで行くこともあります。
休日に車を出し合って、片道3時間かけて移動することもあります。

仕事と競技を両立させるための体調管理で、意識していることはありますか?

一番は「睡眠」です。自分にとって最適な睡眠時間はだいたい7時間半なので、それを崩さないようにしています。 あとは良い食事ですね。添加物の多いものやマーガリンもなるべく避けて、アイスを食べる時も、植物性油脂が入った「ラクトアイス」ではなく、純粋な「アイスクリーム」を選ぶようにしています。

理学療法士という職業柄、生涯的な健康も考えてのことですが、やはり競技でベストなパフォーマンスを出すための選択です。

本代表の誇りと、チェコ遠征での過酷なエピソード

日本代表に選ばれた時はどんなお気持ちでしたか?

高校時代にも一度選ばれたことがあるのですが、大学時代にコロナ禍で一度競技から離れた時期がありました。
「やっぱりもう一度やりたい」と戻ってきて掴んだ代表の座だったので、高校の時とは違う責任の重さを強く感じました。

2025年のチェコでの世界大会では、大変な思いをされたとか。

はい。チェコは外気温が1度くらいで寒いのですが、ホテル内は暖房が効きすぎていて、ものすごく乾燥していたんです。その環境の変化で、現地に入った直後に38度の熱を出してしまって……。

アスリートはドーピング検査があるため、市販の薬も安易に飲めません。「この銘柄の顆粒タイプはダメだけど錠剤ならいい」といった細かい制限がある中で、なんとか調整しました。大会期間中は平熱に下がりましたが、全試合が終わった直後にまた39度まで上がって。海外という不安もありましたが、全試合を終えて「無事に日本に帰らなきゃ」という一心で乗り切りました。

ピード感と心理戦!フロアボールの魅力とは

亜美さんが思うフロアボールの一番の魅力は何ですか?

とにかく「展開が速い」ことです。コートがサッカー場ほど広くないので、右側で攻めていたと思ったら一瞬でカウンターを受けてコートの左側でゲームが展開している。

そして、フィールドプレイヤーは運動量が激しく、約1分ごとに5人全員を入れ替えるんです。この目まぐるしさは見ていて飽きないと思います。

キーパーの心構えと魅力を教えてください。

自分に自信を持つことです。自分は本来、自己肯定感が低めでネガティブなタイプなのですが(笑)、試合ではあえて「自分が一番上手い」と自己暗示をかけています。弱気で小さく見えるキーパーは相手にとって怖くないですから。 自分が止めれば試合は勝ちますし、止めなければ負けます。

当たり前ですが、自分のプレーが勝敗に大きく左右するのがゴールキーパーの魅力ですね。100km以上のスピードで飛んでくるボールを止める緊張感は、他では味わえません。

また2025年のオーストラリア戦では、延長戦の末に味方がゴールを決めて勝つことができ、その試合のプレイヤーオブザマッチに選ばれました。勝ち試合でもらえたことはとても嬉しかったです。

学療法士とアスリート、二つの顔の相乗効果

仕事と競技、お互いに活きていると感じる部分はありますか?

動作分析とか体の使い方だと思います。例えば相手のフォームを見て「この体勢ならシュートじゃなくてパスだな」と分析したり、自分の体の使い方で「この筋肉を鍛えれば速く移動してシュートを止められる」と考えたりできます。チームメイトから「ここが痛いんだけど」と相談されることも多いですね。

逆に、アスリートとしての経験も仕事に活きています。患者さんにリハビリのアドバイスをする際、自分のトレーニング経験を元に「もう少しこう動かすと、ここに効きますよ」と、より実感を持って伝えられるようになりました。仕事とフロアボールを、メリハリをもって、良いサイクルができていると思います。

場のサポートと、応援してくれる患者さんの存在

松戸整形外科の皆さんの反応はいかがですか?

入職前の面接で「日本代表としての活動を続けていきたい」という想いを正直にお伝えしたのですが、病院側がそれを汲み取った上で採用してくださったんです。最初から私の挑戦を理解して、背中を押してくれる環境で働けていることは、本当にありがたいことだと感じています。

世界大会の際も2週間の長期休暇を快く送り出してくれました。職場の方々、患者さんも応援してくれていました。中には私が出場した海外の試合の有料配信チケットをわざわざ買って観てくださった職員や患者さんもいて、「見たよ!凄かったね」と声をかけていただいた時は本当に嬉しかったです。

後の目標:コートでも病院でも「守り」のプロに

今後の目標を教えてください。

競技面では、11月に予定されているアジア・オセアニア予選を勝ち抜くこと。そして、絶対に「ファーストキーパー(正守護神)」として試合に出続けることです。代表に選ばれるだけでなく、試合に出てチームを勝たせてこそ意味があると思っています。

理学療法士としては、まずは今の現場でしっかりと基盤を築くこと。将来的には、怪我や整形外科疾患を未然に防ぐ予防などの活動にも力を入れ、皆さまに貢献できる存在になりたいです。

者さんや地域の皆さんへメッセージ

フロアボールはまだまだマイナーなスポーツですが、一度見れば、そのスピード感にきっと驚かれると思います。YouTubeなどでも試合が見られますので、ぜひ一度チェックしてみてください。 私がここで元気に働けているのは、スポーツを通じて得た体力と、皆さんからの温かい応援のおかげです。これからも、一人のアスリートとして、そして皆さんの体を支える理学療法士として全力で頑張りますので、よろしくお願いします!

いかがでしたでしょうか? フロアボール女子日本代表としての厳しい勝負の世界と、患者さんに寄り添う優しい理学療法士の顔。
その両方を持つ佐藤亜美さんの活躍を、当院はこれからも全力でサポートしていきます。

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