始まりも終わりも

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始まりも終わりも、二人で

病院を始めた頃は、黒田先生と「いつまでこの仕事を続けようか、70歳ぐらいまでかな」と話していたことを思い出します。実際にその年齢を迎えてみると、思いのほか元気で、気づけば今日まで続けてきました。

現在は顧問として病院に関わり、月に一度、第2水曜日の役員会の日だけ、黒田先生と顔を合わせています。そんな中、昨年12月、今年の4月に新たに2人の常勤医師が加わることが決まりました。私と黒田先生とで話し合って、今年の8月末をもって二人一緒に退職することを決めました。

二人で築いてきた病院だからこそ、同じタイミングでその区切りを迎えられたことに、大きな充実感がありました。

患者さんと、職員と、向き合い続けた日々

患者さんと向き合うとき、私が常に心がけているのは、「患者さんの訴えには必ず理由がある」という考えです。どんなに些細に見えることでも、不安や痛みを感じている背景には、必ず何かしらの原因があると信じています。

その原因を見つけ出すためであれば、どれだけ時間や労力がかかっても惜しまない――その覚悟をもって、これまで診療にあたってきました。

中には、心の病を抱えている方もいらっしゃいます。心と身体の健康は密接に関わっているため、診断や治療が容易ではないこともありますが、問診や検査を通して、自分にできることはすべて行い、原因を見つけたいと思っています。

一方で、職員に対しては、特別に構えることなく、いつも通りの自分で接するようにしています。むしろ「普通」であることこそが、安心感を生むのではないかと感じています。ただ、院長として病院を運営していた頃は、トラブルが起きたときには最終的に自分が責任を負うという覚悟で対応していました。
「自分がトップである以上、職員を守るのは自分の役目だ」――そんな思いで行動してきました。

今はその役目から離れ、少し肩の荷が下りたように感じています(笑)。

今、そしてこれからの青嶺会へ

まず目の前の課題として、現在進められている病棟の修繕工事が無事に完了することを心より願っています。
患者さんや職員の皆さんが、安全かつ快適に過ごせる環境を整えることは、質の高い医療を支える土台として極めて重要なことです。修繕が完了し、病棟がより使いやすくなることで、患者さんの治療環境の向上や、職員の皆さんの働きやすさにもつながると信じています。

そしてその先には、新病院の建設が控えています。新たな施設では、最新の設備や医療機器の導入により、医療の質がさらに向上することでしょう。それによって、私たちが大切にしてきた「患者さんに安全で最高の医療を提供する」という理念が、より高度に、そして具体的なかたちとして実現されていくのではないかと思っています。

青嶺会の皆さんが力を合わせ、より良い医療の実現に向けて尽力されることを心から期待しています。そして、患者さんが笑顔になり、職員の皆さんが誇りを持って働ける、そんな病院を目指して、これからも歩み続けていただけたら嬉しく思います。

このメッセージが、皆さんの一助となれば幸いです。

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