~大腿骨頭壊死症を乗り越えて~

手術前の不安や術後の痛み、
リハビリを経て回復していくまでの経過、
そして現在感じている率直な思いを、ご自身の言葉で語っていただきました。
これから手術を検討されている方や、
ご家族にとって少しでも参考になれば幸いです。

手術前の不安や術後の痛み、
リハビリを経て回復していくまでの経過、
そして現在感じている率直な思いを、ご自身の言葉で語っていただきました。
これから手術を検討されている方や、
ご家族にとって少しでも参考になれば幸いです。

目次

手術直前:長引く激痛と、日常生活への大きな支障


もともと、両大腿骨頭壊死症と診断されていました。
当初は耐えられる痛みでしたが、昨年の6月から急激に左の股関節が痛んで動かせなくなりました。
1番辛かったのは、足を動かせる範囲が狭くなったことですね。
スムーズに歩けないのはもちろん、
服の着替え、パンツや靴下を履くのも一苦労でした。
足の爪も自分では切れなくて、家族に頼んでいる状態だったんです。
さらに、痛みが原因で寝返りが打てず、
夜中に30分から1時間ごとに目が覚めてしまう
慢性的な寝不足も本当にきつかったですね。

年の6月から限界を感じつつも、手術がこの時期(約半年後)になったのはなぜですか?

 途中で一時的に痛みが和らいで、動けるようになった時期があったんです。
主治医の先生からも「ご自身のタイミングでいいよ」と言われていたので、
「このまま手術せずに逃げ切れるんじゃないか」と期待して先延ばしにしていました。
でもやっぱりダメで、最終的に限界を迎えました。
見た目にも普通に歩けないのが一目瞭然だったので、
家族からも「もう手術した方がいい」と言われ、決断しました。
職場でも皆さんにフォローしてもらいっぱなしで、
その負担をかけている状況自体が精神的な苦痛だったので、それも大きな決断の理由です。

術を来週に控えた今、率直にどんな心境ですか?

 手術そのものに対する不安は不思議とあまりないんです。
それよりも、術後の生活に対する不安の方が大きいですね。
「果たして本当に今まで通りの生活や仕事ができるようになるのか」
という社会復帰への不安が一番です。
あとは、術後の数ヶ月間は関節が外れやすい(脱臼しやすい)時期だと説明を受けているので、
日常生活の中での動きに気をつけなければというプレッシャーはあります。

術に向けて準備されていることはありますか?

 体調を崩さないことと、体内の感染源になり得る「虫歯」を事前に歯科できちんと治療しておくことですね。
これは先生からも強く言われました。あとは少し痩せて望みたかったんですが、
それは間に合いませんでした(笑)。

手術当日:いざ手術へ、手厚いサポート体制の中で


――院されてからの病院側のサポートや、お部屋の準備はいかがですか?

 昨日からいろんな専門スタッフが代わる代わる来てくれて、
ずっとにぎやかでしたよ。
看護師さんがスケジュールを分かりやすく説明してくれて、
管理栄養士さんが食事のアレルギーの最終チェック、
理学療法士の方は事前に今の筋力や歩き方のチェックをしてくれました。
今朝も担当の理学療法士さんが「頑張りましょう」と声をかけてくれて
心強かったです。

――夜から絶食とのことですが、体調はいかがですか?

 昨夜21時から飲食禁止で、今日の午前中までに指定された経口補水液を飲むように指示が出ています。
以前、他院でお腹の検査の時に飲んだ下剤は苦手な味だったのですが、
今回、リンゴ風味の経口補水液はとても美味しくて飲みやすかったです。

――術直前ですが、今の緊張感は?

 緊張よりも、「これでようやく、あの凄まじい痛みから解放されるんだ」という嬉しさの方が大きいです。
理学療法士さんからも「やってはいけない動き」を徹底的に教わりました。
股関節を100度以上深く曲げる「しゃがみ込み」、仰向けでお尻を上げるような「過伸展」、
そして後ろ足が内側にねじれる「ボーリングの投球フォーム」のような動きは絶対に厳禁。
少し前屈み気味の方が関節が安定する、といった構造も教えて頂きました。
さあ、そろそろ時間ですね。行ってきます。

手術後:強い痛みと向き合いながらの回復の一歩




――術後、お体の具合はいかがですか?

…痛い、痛い、痛い……本当にずっと痛いんです。
鎮痛剤は使いましたが、想定していたよりも30倍は痛くて、
0から10で言うなら「100だ!」と言いたくなるくらい。
最初は左の手術した股関節全体が痛かったんですが、
さらに右肩まで強く痛むようになってしまって。
最終的に麻薬系の一番強い鎮痛薬を筋肉注射してもらって、
ようやく少し眠気が出てきて、落ち着いてきました。

――術時間は短かったと聞きました。

 予定通りに入室して、手術が終了するまで1時間かかっていないそうです。
ものすごいスピード手術で、しかも立ち会ったスタッフの方から「創部もとても綺麗ですよ。」と言われました。
執刀してくださった先生の技術には本当に感謝しかありません。

――、ベッドの上はどのような状態ですか?

 脚には血栓を予防するためのマッサージ器(フットポンプ)がついていて、
ゆっくり空気が膨らんでギューっとマッサージしてくれて心地よい刺激があります。
今の動けない状態での生命線は、メガネ、ワイヤレスイヤホン、スマホです。
痛みから気を逸らすためには必須です。

入院中:手術後の今と、病室での一日のリズム

――の後の経過はいかがですか?

 今の状態は、手術した側の脚がかなり強くむくんでいますが、
これは術後の正常な反応とのこと。
傷口自体はものすごく綺麗です。
今回は体内に自然に吸収される糸で縫ってあるので、
表面の保護テープが自然に剥がれ落ちたら処置はすべて終了だそうです。
血液検査の数値も問題なく、順調に回復しています。

――室での午前中の流れを教えてください。

 午前中は意外に忙しくて、ゆっくりテレビを見る時間もないんですよ。
朝6時に起床放送が流れて、8時に朝食。
その後、回診が始まり医師が傷の状態を確認して「順調ですね」と安心させてくれます。
そしてお部屋の掃除が入り、その後、理学療法士さんが来てベッドの上での本格的なリハビリが始まります。
これが終わるとすぐ12時の昼食です。夜は昼間動かないせいか眠れず、個室のBSテレビを観て過ごしています。
(※ご注意:リハビリは午前中とは限りません。)

術後10日後:退院直前のお気持ちと入院生活を振り返って

――り返ってみて、入院生活はいかがでしたか?

 術後すぐは麻酔の影響や強い痛みで少し混乱してしまいましたが、
看護師さんの優しいフォローで乗り切ることが出来ました。
スタッフの皆さんが痛みに寄り添って処置してくれたことに感謝しています。

――部屋の環境や、入院生活で役立った持ち物はありますか?

 今回は運良く特室を利用させていただいたのですが、専用のトイレやシャワーがあり、
周りに気を遣わずに過ごせる環境は精神的にとても楽でした。
持ってきて良かったものは、「スマホワイヤレスイヤホン」コードが絡まず完結します。
次に「赤ちゃん用のお尻拭き(厚手)」。シャワーを浴びられない期間の体拭きや座薬のケアに必須です。
アルコール入りはアレルギーもあるし患部に沁みるのでノンアルコールがベスト。
あとは白いご飯用の「ふりかけ」ですね。
前開きのパジャマは最初の着替えのとき(1着あれば良い)だけで、あとは普通のTシャツ短パンで十分でした。
レンタルタオル(A-1プラン)は洗濯の手間がなくて便利でした。
家族のサポートがある場合は洗濯物を持ち帰ってもらったりして数日分で十分回せると思います。
サポートが受けられない場合は、フルレンタルを利用したり、院内の洗濯乾燥機を利用することも可能です。
私は痛みが強かったため、洗濯する気にはなりませんでしたけどね(笑)

――在の足の状態はいかがですか?

 手術の翌日から歩行器で歩く練習を始めていました。
昨日から松葉づえ歩行も終え、現在は、片脚を引きずることもなく「普通に歩ける」ようになったことが純粋にものすごく嬉しいです!長年私を苦しめてきた「股関節そのものの深い激痛」は、手術後からありませんでした。
今は切開した部分の突っ張り感が少しあるくらいで、日に日に良くなっています。

――後の生活への期待や、これからの夢を教えてください。

 先生からは、万が一の「転倒」だけは絶対に避けるよう言われているので、車の乗り降りなども慎重に行おうと思います。
手術前は1年間も痛みに耐え続け、歩けないストレスで本当にきつかった。
「もっと早く手術しておけばよかった」と、経験者の皆さんが口を揃えて言う意味が、今なら本当によく分かります。
これからは、かつて夫婦で楽しんでいたテニスに再び挑戦すること、
そして自転車に乗ることや、愛犬との散歩を楽しみたいと思っています。
素晴らしい治療とサポートをしてくださった病院の皆様に、心から感謝申し上げます。

インタビューを終えて

 手術前後で患者さまの表情は明らかに異なっていました。
術後の痛みは伴うものの、「これまでの痛みから解放される」「生活の質(QOL)が向上する」
という未来への希望に満ちた前向きな気持ちが、見ているこちら側にも強く伝わってきました。
 このような患者さまの希望に満ちた表情に触れると、医療機関で働いている一員として、
本当にやりがいのある仕事だなと感じました。
 手術への不安や術後の痛みを抱えながらも、
「今、同じように不安を抱えている他の患者さまの力になりたい」という一心で、
真摯にインタビューに応じてくださった患者さまに、心より感謝申し上げます。



※本記事は患者さんご本人の体験をもとにしたインタビューです。
治療方法や術後の経過、回復には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。



※本記事は患者さんご本人の体験をもとにしたインタビューです。
治療方法や術後の経過、回復には個人差があり、
すべての方に同様の結果を保証するものではありません。

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